ED治療薬を長期服用すると効き目は弱くなる?健康に悪影 響がある?

ED治療薬は健康に悪影響?

ED治療薬をひんぱんに服用していると徐々に効き目が弱くなってくる、と思っている方がいますが、それは誤解です。また、長期服用は健康に悪影響があるというのも誤解です。むしろ、連続的な服用が血管機能の向上に役立つことが分かっています。今回はED治療薬の長期服用の有効性、安全性について分りやすく説明します。

ED治療薬に習慣性・依存性はない

お薬の中には、毎日のように使用しているとだんだん効き目が弱くなるものがあります。これを薬剤の「習慣性」または「依存性」といいますが、ED治療薬にはこのような習慣性、依存性はありません。
「どんな栗も飲み続けていると効き目が弱くなる」と思っている人がいますが、数多い薬品の中で習慣性のある薬剤は一部のものに限られます。習慣性のあるお薬としてよく知られているのは、病院が処方する薬では抗うつ剤や睡眠薬、市販の薬では鎮痛剤(頭痛薬)や咳止めの薬などです。
バイアグラ、シアリス、レビトラなどのED治療薬は、血管を拡張してペニスの海綿体への血流を促し、性行為の間その血液を海綿体に留める作用のあるお薬で、連続して服用しても効果が弱くなることはありません。
むしろ、連続服用がいわば勃起のトレーニングになり、薬の効果が切れているときの勃起能力も改善する可能性があります。というのは、これまでに行われてきたさまざまなED治療薬の応用研究で、「頓服としての勃起サポート」に限らないED治療薬の効果が認められてきたからです。

ED治療薬の連続投与は血管機能の改善に効果がある

ED治療薬の1つのシアリスは効果が長時間持続することで有名ですが、その主成分であるタダラフィルが、2014年に厚生労働省から前立腺肥大の治療薬として認可されました。
前立腺肥大は、ED(勃起不全)と同様に多くの中高年男性を悩ませる病気ですが、タダラフィルを毎日2.5mgまたは5mg服用することで改善が期待できます。(ED治療薬として服用するときは1回10㎎または20㎎です)
バイアグラの成分であるシルデナフィルは、新生児肺高血圧症という難病の治療に効果があることが分り、2008年に厚生労働省が治療薬として承認しました。バイアグラ(シルデナフィル)は、最初は狭心症の治療薬として開発され、偶然に勃起を助ける作用があることが分かったものですが、胎盤呼吸から肺呼吸への切替が上手くいかない新生児の肺への血流を促進するお薬としても認められたのです。
この他に、糖尿病の患者にバイアグラを毎日投与したしたところ、血管機能の改善が見られたという報告(2011年 アメリカ)もあります。動脈硬化の改善作用についても研究が行なわれており、有効性を示すデータが報告されています。
これらはすべて血管機能に関する改善作用で、ED治療薬は長期服用によって血管の働きを向上させる(若返らせる)効果が期待できると言えます。

ED治療薬の効き目が弱いと感じたときの本当の原因は?

「これまで効いていたED治療薬の効果が弱くなった」と感じたときの原因としては、
● 食事のすぐ後に服用した
● 性欲の高まりが弱かった
● 体調が悪かった
ことが考えられます。
ED治療薬は満腹のときに飲むと効果が弱まります。とくに脂濃い食事の直後では、効き目が悪くなります。
バイアグラ、シアリス、レビトラを比較すると、食事の影響を受けやすい順に「バイアグラ→レビトラ→シアリス」となります。
食事と性行為がセットになっている場合は、食事の前にED治療薬を服用しておき、食後あまり時間をおかずにベッドインするのが有効な対策です。例えば、食事の30分~1時間前に服用し、食後は2時間くらいまでにベッドインするとよいでしょう。

効果が出始める時間や持続する時間は人によって差があるの
で、いろいろ試してみて「自分時間」を見つけておくことが大切です。
性欲が十分に高まっていない場合も、ED治療薬は効果がありません。ED治療薬は性欲を高めるお薬ではなく、性欲と勃起の連動をスムーズにするお薬です。「セックスをしたい」ときに飲むと効果が期待できますが、「しなければならない」ときに飲んでも効果があるとは限らないのです。
仕事がうまくいかない、ミスをしたなど、大きなストレスを抱えているときも「気分転換にセックスを」と思っても、いつものお薬が効かない場合があります。ストレスが無意識のうちに性欲の高まりの妨げてしまうのです。
寝不足、疲れが溜まっている、風邪をひいているなど、体調が悪いときもED治療薬の効き目が弱くなることがあります。なかには「二日酔いのときに、いやに性欲が亢進する」というような人もいますが、やはりセックスも体調を整えてからの方が、なにかとスムーズです。
もちろん、10年、20年という長期スパンで考えると、年齢とともに血管機能が低下して勃起力が弱くなり、これまで効いていたED治療薬の効果が薄くなるということはあります。
しかし、勃起能力は男性たちが社交辞令で口にする「もう最近はさっぱりです」というほど年齢に左右されるものではありません。

おわりに

ED治療薬には、ひんぱんに服用すると効果が弱まる習慣性・依存性はありません。むしろ、連続して使用することで血管能力を向上することが期待できます。血管の老化をスローダウンする生活習慣を守りながら、ED治療薬の助けを借りてでも勃起習慣、勃起トレーニングを維持することで、「勃起年齢」を伸ばすことが可能なのです。

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